やり直し力学2 ニュートンの運動の法則の修正2
Modification of the inertia law.
前回では、ニュートンの運動の法則について確認した。次に、相対性原理について説明し、「誰が絶対的に静止していて、誰が絶対的に運動している者かを、物理学的に決定することはできない」ということについて議論した。
ニュートンの運動法則における慣性の法則は、「物体に力が作用しない限り、静止している物は静止し続け、一定速度で運動している物はその状態を保持する」と説明するが、相対性原理の下では、「誰が絶対的に静止していて、誰が絶対的に運動している者かを決定することはできない」ということであるから、慣性の法則でいう「静止している物は静止し続け、一定速度で運動している物はその状態を保持する」ということについては議論の余地がある。
ここで、「静止している物」とは、観測者に対して相対的に静止している物を意味している。同様に、「一定速度で運動している物」とは、観測者に対して相対的に一定速度で運動している物を意味する。だが、観測されているその物体からすると、逆に観測者が一定速度で移動して見えるので、静止しているのは物体側であり、一定速度で移動しているのは観測者側となる。
その結果、慣性の法則で、「静止している物は静止し続け、一定速度で運動している物はその状態を保持する」と説明することには矛盾が見いだされる。説明としては「観測者に対して、静止している物は静止し続ける」ということで十分ではないか、ということになる。
ここで、物理法則として「観測者に対して、静止している物体は静止し続ける」と定義しよう。このことは、物体は、観測者に対して「静止し続ける」という「慣性」を有することを意味する。すると、物理学に慣性という物理量を定義しなければならない。その物理量を「慣性質量」と定義しよう。
以上より、物体の静止という慣性の法則が次のようにまとめられる。
「観測者に対して、静止している物体は静止し続ける慣性を有する。その慣性は、慣性質量mをもって計られる」
次に、私達の経験によれば、「観測者に対して静止している物体に力を作用させると、その物体は動き出す」ここに、観測者に対して静止状態から「運動を獲得した物体」が定義される。この静止状態からの速度獲得を「加速」と定義できる。また、単位時間当たりの加速量を「加速度」と定義できる。
仲座栄三 参考文献:仲座栄三、新相対性理論(物理的思考編)、ボーダーインク、363p.、2023.