やり直し力学 17 果たして我々は時間遅れを計測可能か?
Is it acceptable to consider the time delay measured using a pendulum clock as the actual time delay?
Why do you think measurements from an atomic clock are acceptable?
アインシュタインの相対性理論においては、従来存在したガリレイ変換を退け、ローレンツ変換が唯一の正しい変換式であると定義している。
2つの慣性系A(静止系)及びB(運動系)を想定すると、ローレンツ変換を設定したその瞬間に、それらの時空(x, y, z, t)及び(x’, y’, z’, t’)との間には、次の関係式が成立する。
t’ = γ(t – vx/c^2) (1) 、 x’ = γ(x – vt) (2) 、 y’ = y (3) 、 z’ = z (4)
ここに、γはローレンツファクターを表す。
式(1)及び(2)からは、それぞれ
t’ = √(1 – v^2/c^2)t (5) 、x’ = l / √(1 – v^2/c^2) (6)
が与えられる。
式(5)は、慣性系Bの時間t’は、慣性系Aの時間tよりも遅れていることを表す。
式(6)は、慣性系Bの長さx’は、慣性系Aの長さloよりも短縮して観測されることを表す。
慣性系AとBは当初対等なものとして設定されたが、ローレンツ変換を適用したその瞬間に、慣性系AとBとは時間や長さが互いに異なり、対等な立場が消失してしまう。これでは、対等な立場を主張し、相対性理論構築の大前提である相対性原理に背くことになる。
すなわち、相対性原理の下では、「ローレンツ変換を適用することができない」というジレンマに陥る。その結果、アインシュタインの相対性理論は誤りである、あるいは、アインシュタインの相対性理論はパラドックスを伴うとする主張が現れる。
このような議論に決着をつけるために、HafeleとKeatingは、飛行機に正確な原子時計を積み込み、「運動している慣性系の時間は遅れるのか?」を実証しようと考えた。原子時計を飛行機に積み込み、地球を周回飛行した後に、地上の原子時計の時間と比較するという実験が行われた。
その後、同種の実験が繰り返された。また、GPSによる実験でも確かめられた。飛行機やGPS衛星に乗せた原子時計の時間は、地上の原子時計よりも確かに遅れ*、その遅れは、アインシュタインの予測値と一致するものであった。現代物理学界は、これらの実験結果から、「アインシュタインの相対性理論は正しく、疑う余地はない」と結論している。
*注意:時間遅れには、重力の作用もあるが、ここでは、特殊相対性理論的な効果、すなわち運動の効果としての時間遅れのみを議論している。
実験結果は、地上の原子時計と上空の原子時計の時を刻むテンポが対等でないことを示すことで、「時間遅れが実際に計測された」ということになっている。
しかし、ここでよく考えてみると、原子時計を用いて、時間の遅れが計測できるのか?という根本的な問題が浮かび上がる。すなわち、原子時計で計測した時間に遅れが生じていたことは、そもそも、「時間」というものの遅れを測定したことになっているのか?という問である。
我々は、振り子時計の原理を知っている。振り子時計を用いれば容易に高度の違いで時間遅れが計測できる。その計測値をもって「時間の遅れを測定した」と判断してよいか?ということがここでは問われているのである。
仲座の新相対性理論では、
1) 慣性系AとBの関係が、ローレンツ変換の存在の下に対等でなくなること
2) 時間遅れを、原子時計など計測器を用いて測定可能か?
という、根源的な問題に解決を与え、アインシュタイン及び現代物理学界の誤謬を正している。
参考文献:
- 仲座栄三、新相対性理論(物理的思考編)、ボーダーインク、363p.、2023.
- 内山龍雄 訳・解説:アインシュタイン相対性理論、岩波文庫、187p.、1988.
- Eizo NAKAZA: NEW THEORY OF RELATIVITY THAT USES GALILEAN TRANSFORMATION AS BASIS OF TRANSFORMATION BETWEEN INERTIA COORDINATE SYSTEMS, Journal of Science, Disaster Prevention, and Environmental Research (Physics), Vol.1, No.1, 1-10, 202.
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