仲座栄三 新力学研究所
2023年03月27日

宮古島の民謡『なりやまあやぐ』の意味を考える

The meaning of Miyako Island's Folk Song "Nariyama Ayagu"

宮古島民謡 ”なりやまあやぐ”

國吉源次「宮古民謡特集」から引用 1.サー なりやまや なりてぃぬ なりやま   すぅみやまや すぅみてぃぬ すぅみやま   イラユマーン サーヤヌ   すぅみてぃぬ すぅみやま 2.サー なりやま 参いすてぃ なりぶり さまずな(主)   すぅみやま 参いすてぃ すみぶり さまずな(主)   イラユマーン サーヤヌ   すみぶり さまずな(主) 3.サー 馬ん乗らば たずなゆ ゆるすな主   美童家行き 心ゆるすな主   イラユマーン サーヤヌ   心ゆるすな主 4.サー ぶり寄し波や笑いど寄しず   我ブナリャ 笑いど迎い   イラユマーン サーヤヌ   笑いど迎い

これは、宮古島のもっとも有名な民謡と言われている「なりやまあやぐ」の歌詞である。 その意味については、様々な解説がある。 「ヤマ」については、「場所」あるいは「人名」などとなっており、 「なり」については「慣れた」などと解釈されているようである。 そのようなことから、「慣れ親しんだ仲にも礼儀あり」とか、 「妻から夫への戒め」の歌であるとか言われているようである。

しかしながら、こうした従来の解説にはどうしても、しっくりこない。 従来の解釈は、どうも、歌詞の3番にある「馬ん乗らば たずなゆ ゆるすな主  美童家行き 心ゆるすな主」という歌詞の意味に大きく影響を受けているように思える。 上の歌詞で、3番以降は比較的簡単な方言で歌われているので、その解釈は読んで字の如しである。

やはり、歌詞の1番及び2番の意味がどうも簡単には理解が及ばない。 私の解釈を、去る3月23日の琉球新報紙(文化面)において紹介した。 (添付PDFをご覧ください)

私の解釈: 「なりやま」は、「成功者ヤマ」〔やまは人名、山積み,やまなり(山形)を連想させる人名〕 「すぅみやま」は、シュウミムヌ(欲張り者)を表し、直訳では、「よくばり者のヤマ」と解される。 いずれも、「ヤマ」は人名であるが「沢山の、かなりの」ということを連想させる。 2番の歌詞の末尾につく「主」は、後付けと判断されるので、上記歌詞では、カッコ付けで示してある。

以上から、私の解釈によれば、「成功者を称え、その振る舞いをも戒める」教訓歌と判断される。

詳細は、添付資料の紙面(PDF)をご参考ください。 追ってさらに臨場感あふれる詳しい解説をご紹介したい。

琉球大学 工学部社会基盤デザインコース教授 仲座栄三