やり直し力学1 ニュートンの運動の法則の修正
In this section, Newton's laws of motion are modified.
「ニュートンの運動の法則」は、中学校の理科の時間で初めて目にしたことでしょう。あれから、今日に至るまで、ニュートンの運動の法則は、あたかも暗記物として位置付けてきたのではなかろうか。その説明文は、中学校の教科書の内容であってもまた、大学の教科書や研究資料であっても、ほとんど同じ内容をもって説明されています。そのようなことから、我々は、ニュートンの運動法則の妥当性を問うことなど考えたこともなく、それよりもむしろその説明文をあたかも唱えるものとして認識していたのではなかろうか。
ここでは、力学の原点に位置付けられるニュートンの運動法則について議論し、それがどう修正されなければならないのかについて検討していきます。目指すべきは、従来の教科書の内容に疑義を投じ、新しい力学理論を打ち立てることとなります。したがって、これから説明されることには、これまでのいかなる教科書や参考書にも記載されていないことの発見に至ることが期待されます。 一方で、本サイトの説明文を読まれた方々の一部からは様々な反論を投じられることも予想されます。しかし、それらは、恐らく従来の力学理論への回帰を促すものとなろうことから、動揺せず、いかなる意見にも興味を示されて、自分自身の頭をもって思考に思考を重ね、新しいことの発見に至ることを望みたいと思います。
さて、私達が教科書で学んだニュートンの運動法則は、おおかた次のように説明されています。
1)**慣性の法則:**物体は力が作用しないかぎり、静止しているものは静止し続け、一定速度で運動しているものはその運動状態を保つ。
2)**運動の法則(運動方程式):**物体に力が作用するとき、その物体の質量m、加速度a、作用力fとの間には、 ma=f なる関係式が成立する。
3)**作用・反作用の法則:**物体に力が作用するとき、その物体は作用力に対して、同じ大きさで逆向きの反作用力を及ぼす。
私達は、ニュートンの運動の法則をこのように学ぶのですが、その背景には、相対性原理が存在していることに気づかなければなりません。相対性原理とは、後に詳しく説明されるアインシュタインの相対性理論を構築する際に、アインシュタインによって打ち立てられた原理の内の一つです。
相対性原理:誰が絶対的に静止し、だれが絶対的に一定速度で運動しているものかを、物理学的に決定することはできない。
この説明に驚かれる方がいるかもしれませんが、私達は、この宇宙の中で、だれが本当に(絶対的に)静止した者(物)であるかを決定することはできていません。静止しているとされた地球は動いていたし、世の中心と設定された太陽も銀河の中では動いている存在であるし、その銀河ですら動いて見える無数の銀河の内の一つにすぎません。恐らくは、創造主とされる神の立っている位置が、本当に静止した位置と言えるかもしれませんが、さらにその神を生む大きな目でみると、そのような位置ですら動いて見える位置の一つに過ぎないのかもしれません。
相対性原理を通して、ニュートンの運動の法則の「慣性の法則」や「作用・反作用の法則」を見ると、それらは相対性原理の内容を説明しているように思えてきます。すなわち、「慣性の法則」は、静止しているものと一定速度で運動しているものとを区別できないことを、「作用・反作用の法則」は、いずれが動き出す側かを決定できないことを、意味しているように思えてきます。
そういうことになると、相対性原理の下に、上で三つの法則として説明したニュートンの運動の法則は、二番目の運動の法則を表す運動方程式(ma=f)のみを必要としているように思えてきます。
ここまで説明してきますと、「どう考えてよいのか分からなくなってきた」 「なにをどこまで信じてよいのか」などと、考え込んでしまうのではなかろうか。そうです。教えられることを鵜呑みにせず、「考え込む」ことこそが、学問することの醍醐味と言えます。また、このように考え込んでしまうことが、「批判的に学ぶ」ということの意味とも言えます。
仲座栄三 次回は、相対性原理の下で、ニュートンの運動の法則はどのように表されるべきかについて考えます。また、説明内容は、適宜、修正や加筆を行います。
本サイト内容把握に必要となる参考文献を一つのみ挙げておきます。詳しい式の誘導などについては、これを参考にされてください。
参考文献 仲座栄三:新相対性理論(物理的思考編)、ボーダーインク、363p.、2023.